「共に生きる生活」から

私たちの教会では、何かの機会に「善き力にわれ囲まれ」という歌をよく歌います。この作者であるディートリヒ・ボンヘッファーは、ヒトラーの率いるナチス政権を批判し抵抗運動に加わり、処刑されて主のみもとに召された人です。

彼が「共に生きる生活」という書物を書いており、世界中で読みつがれていますが、その中の一節を思い出し、この書物を書棚から引っ張り出しました。

 一人でいることのできない者は、交わりを用心しなさい。そのような人は、自分自身と交わりとを、ただ傷つけるだけである。…しかしその逆の命題もまた真である。交わりの中にいない者は、ひとりでいることを用心しなさい。
 わたしたちはこう認識する。ただ交わりの中にいる時にのみ、わたしたちはひとりであることができるし、ただひとりである者のみが、交わりの中で生きることができる、と。   
                           「共に生きる生活」(新教出版社)90頁