教団機関誌「いのりのとも」2022年10月号掲載
ニューコミュニティ三田チャペル 阪本啓子
今月で受洗20年になります。私が初めて福音を聞いたのは、娘が幼児生活団に通っていた時でした。その日Tさんと私は王子動物園にいました。なぜその話になったのか思い出せないのですが(多分、動物園にライオンがいたからだと思います)、私はTさんに『ナルニア国ものがたり』を読んだことがあるかと尋ねました。『ナルニア国ものがたり』の『ライオンと魔女』が大好きで子供のために購入したお気に入りの1冊をTさんに貸してあげたいと思ったのです。するとTさんは「アスランはイエス様のことなのよ」と言ってイエス様の十字架のお話をしてくれました。アスランがエドマンドの身代わりで死んでしまう場面は一番悲しく、その後にアスランが蘇る場面は一番好きな場面だったので、Tさんの話は深く私の心に残りました。
その年のクリスマス、娘が「イエス様がクリスマスに生まれたお話を聞いた。もっとイエス様がしたことや、お話したことを知りたい」と言って帰ってきました。これは教会に行くしかないと思い、Tさんに相談しました。お友達のOさん(西宮チャペル)を通してTさんが紹介してくれた三田チャペルのMさんはご自宅に招待してくださいました。ご主人とお兄ちゃん達が息子達と遊んでくださり、Mさんが娘にぬりえや絵本を用いてイエス様のお話をしてくださいました。Mさん宅で楽しい時を過ごし、「クリスチャンホームって素敵だなあ」とあこがれて帰宅し、翌週から教会に行くようになりました。
その後、教会のキャンプで信仰告白へと導かれました。娘に「お母さん、クリスチャンになったよ」と言うと、「私がイエス様のことを教えてあげたのに、お母さんだけクリスチャンになってズルい」と言われました。そのことを牧師に話すと、「娘さんはしっかりとイエス様のことを信じているので、一緒に洗礼を受けましょう」と言ってくださいました。
実はその頃、長男が数か月前に自転車を盗まれてテニスの試合に行くのが不便だと嘆いていたので、私は「自転車がみつかるようにお祈りしよう。みつかったら神様を信じるんだよ」と言ってしまい、一緒にお祈りした後、「みつからなかったらどうしよう」と不安になりました。しかし、一週間もしないうちに自転車が戻ってきたのです。長男と私がお祈りしたことを知っていた次男は、戻ってきた自転車を見て驚き、「神様はいるんだ。僕もクリスチャンになる」と叫びました。
また、ある晩、主人が会社のプレゼンがまとまらないので祈ってほしいと言ってきました。一緒に祈り、主人は平安が与えられたと言って毎朝の通勤電車で聖書を読むようになり、やがて主人も洗礼を受けたいと言うようになりました。これらの出来事を目の当たりにした長男もイエス様を信じ、こうして家族5人が一緒に洗礼の恵みにあずかることとなったのです。
最初に私たち親子を温かくもてなし福音を語ってくださったMさんご一家のように、私たちも、訪ねて来られる方々を温かくもてなし福音を語って行きたいと思っております。
「神のなさることは、すべて時にかなって美しい。」(伝道者の書3章11節)