安倍首相殺害の事件との関連で、「世界平和統一家庭連合」のことが報道されています。
「世界平和統一家庭連合」とは、「世界基督教統一神霊協会(統一教会ではなく統一協会と書くのが正しいです)」が名前を変えた団体です。キリスト教の一派のように報道されたりしますが、その信仰の教えも、そこから来る行動の倫理も、決定的に違います。
キリスト教では、イエスキリストが私たちを罪(創造者である神から離れて自分を神として生きること)から解放し、神との間に和解を与えてくださったと信じます。ですから、十字架は神の愛の表れであり、復活はその勝利の証拠です。クリスチャンの生き方の理念は、このイエスキリストを人生の主とし、「主なる神を愛し、自分自身のように隣人を愛する」ことです。それが人間本来の目的であるからです。
それに対して、統一協会では、イエスは失敗した救い主であると断言します。彼らによると十字架は敗北なのです。そして真の救い主が生まれたと言います。それが文鮮明と言う教祖です。自らを再臨のキリストとした彼は数年前に亡くなりましたが、現在は夫人がその代わりとなりました。「世界平和統一家庭連合」と名を変えていますが、同じ団体です。また子どもたちは分裂してあらたな団体を作っています。特に、七男で自らを再臨のキリストとする文亨進(ムン・ヒョンジン)氏の「サンクチュアリ協会(世界平和統一聖殿)」が日本でかなり活動しています。
私の学生の頃は統一協会の活動が盛んで(私は、桜田淳子さんと同い年です)、大学でも学内で原理研究会や勝共連合(別組織ということになっていますが)の学生が活動しており、大学や教会やいろいろな場面で彼らと出会いました。当時は自民党の青年部と勝共連合はメンバーがだぶっていましたね。そういうこともあって、彼らを助け出すために「原理講論」や解説などを読みました。その後、霊感商法などの問題で表面的に静かになりましたが、いろんな団体をつくりながら名前を変えて盛んに活動しています。私たちの教会の関係者を始め、私の知人の中にも、統一協会から助け出された人たちが何人もおられます。
私たちは伝統的な教えに立つキリスト教会として、「イエスキリストが救い主である」との福音を、聖書と歴史的教会の信条に立ってはっきりと告白し語っていきます。その使命と責任が与えられていることを痛感しています。
*異端の団体の詳細については、キリスト教会が共同で設置している「異端カルト100番」をご覧ください。